トランプ税制改革法案:米国外への国際送金に課税条項
- Hiroshi Goto
- Jun 29
- 2 min read
Updated: Jul 1
現在米国上院で審議中のトランプの大型税制改革法案は、米国から米国外への国際送金に一定の課税を行う条項が盛り込まれています。これが施行されると、在米日本人や、日本に住んでいても米国に資産を保有する方に多大な影響がある可能性があります。今回の記事では、下院で可決された法案、ならびに6月28日に公表された上院法案を見てみます。

下院可決法案と上院法案の比較
以下に両法案の主要項目を比較しました。

国際送金課税の目的
送金課税の目的は、米国で働く非米国市民(おそらく特に不法移民)から米国外への家族などへの送金から税収を得ることです。しかし、影響はそれにとどまりません。
下院可決法案は、米国市民であるかどうかの確認や源泉徴収と払い戻しなどに関して、金融機関や米国市民を含めて事務的に多大な困難を強いる可能性が懸念されていました。
またこの国際送金課税は、米国外から米国への投資を阻害する可能性も指摘されていました。投資成果を米国から回収する際に課税されるのであれば、当然、投資家は米国に投資することを躊躇するでしょう。
上院法案では大幅にトーンダウン
下院可決法案は、在米の日本人や米国に資産を有する日本在住日本人にとっても、相当に問題のある内容でした。幸い、6月28日に公表された上院法案では、税率は3.5%から1%に下がり、対象も現金等に限定し、銀行口座からの引き落としを適用除外にしています。
ただ、日本人に利用者が多いWiseは金融機関ではありませんので、この枠組みでどのような扱いになるかは不明です。
トランプ大統領はこの税制改革法案(One Big Beautiful Bill)を7月4日独立記念日までに成立させることを目指しています。減税条項だけでなく、国際送金課税がどう決着するか行方を見守っていきたいと思います。
引き続き進捗を注視し、適宜アップデートを行っていきます。